現在の武漢には数多くの自動車産業が集積し乗用車を中心に自動車を生産しています。

「東風ホンダ」「神龍汽車(ブジョー・シトロエン)」「東風汽車(自主ブランド)」「上海GM」そして2022年には「東風日産」と「吉利(ロータス車)」が生産開始をすると発表されました。
日系はもとより欧州系、米国系、中国系が全て揃う自動車の一大生産地になります。生産台数の多い地域は現在上から広東省、上海市,吉林省、湖北省と言われていますが、数年後には湖北省がNO.1になると予想されています。

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(画像の東風本田から私が勤務している会社まで約3KMです)

それでは、どうして武漢市が自動車産業の集積地になったのでしょうか?いろんな理由があると思いますがまず思いつくのは、こんなところでしょうか?
①外資との合弁のパートナーである東風汽車が武漢に本社があることで武漢に誘致した。
②完成車を中国全土に配送する場合、中国のヘソと言われる武漢からの配送だと便利。
③部品の輸送に長江を使えるので原材料の仕入れにも有利。(完成車も自動車専用船で運ばれています)
④自動車の多く使われる鉄を供給する武漢製鉄がある。(今は宝山鋼鉄と合併してしまいましたが)
⑤完成車工場や部品を供給するベンダーに必要な人材のが多い。(大学がたくさんあります)

そして、自動車の街としてこの地域に豊かさと多くの雇用を生み出していると同時に、生活しにくい部分もあります。
➊工場が多いせいかとにかく空気が埃っぽい。(3日に1度くらいで洗車しないと埃だらけ)
❷鋼材を輸送するトラックが多く、とにかく道路が傷みやすい。(シャコタン車では走れません)
➌市内を南北に長江が縦走し、東西に漢江があり、湖もありとにかく橋が多いので渋滞しやすい。

地元の人は「武漢は中国のデトロイトや!」などと自慢したりするのですが、それだったら将来この都市は本家デトロイトのように倒産する?

今は間違いなく「武漢は自動車の街」。でも、電動化が進んでコネクティドの時代が来たらどうなるんでしょうね。
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